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データ活用の「目的」を決める5つの考え方

データ活用の「目的」を決める5つの考え方

データを活用しなければ生き残れない!」といったようなことを聞くことが多くなってきました。

特に最近ではインターネットを中心として様々なメディアが「データ活用で成功した企業のノウハウ!」ですとか、「〇〇社がDX推進部門を新設!」といったようなニュースをしきりに配信するため、「なんとしても自社でもデータ活用やDXをやらなければ!」と焦っているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか?

しかし、実際にそれらのプロジェクト推進を始めても、色々な壁にぶち当たります。

よくあるのは、「費用対効果が分からない」とか「人材が足りない」、「ノウハウがない」、「システムやマスタが整備されていない」といったことです。

こうしたことも、確かにデータ活用を阻む「」ではあります。

しかし、データ活用がなかなか進まない、うまく行かない本質的な問題はもっと別のところにあります。

その「本質的な問題」とは、

データ活用のビジョンや方針がない

ということです。

データ活用のビジョンや方針」、これがないことによって、具体的に何をどうればよいのか?、どんな成果が得られるのか?、ということが「見えない」のです。

したがって、「やりたい気持ちはあるけどデータ活用が進まない、うまくいかない」という状況に陥ります。

データ活用のための「システム・基盤整備」であったり、「データ分析人材」というのは、他社から「外注する」ということも可能です。(例えば、弊社のような企業です)

しかし、「データ活用のビジョンや方針」というものは、「外注」して解決するものではありません。

もちろん、弊社のような「データ活用コンサルティング企業」やBIG4に代表される「コンサルティングファーム」といったところに依頼をすれば、お手伝いは可能かと思います。

ですが、コアな部分をきちんと決めて、それを従業員に共有して舵を取っていくことは、あくまでそのビジネスの「主体」である企業が実施するべき仕事です。

では、どうすれば「方向性」を定めることができるのでしょうか?

以下に、「データ活用の5パターン」をご紹介致しますので、ぜひご参考にして頂ければと思います。

① コスト削減

② 顧客開発

③ 製造プロセス改善

④ 既存製品改良

⑤ 業務改革

① コスト削減

文字通り、「コスト(費用)を下げる」という意味でのデータ活用になります。

企業の「利益」というものは、単純に考えれば「売上 - 費用」ということになりますので、「売上を伸ばす」ということが重要である一方、「コストを下げる」ということも大切な要素になります。

具体的な例としては、小売店や飲食店などの「ヒトの動き(導線)」を分析して「人員配置の最適化」などを図ったり、製造業などにおける「不良品検出」の高度化、自動化といったものが挙げられます。

「コスト」には、前者のような「人的コスト」や後者のような「物的コスト」が存在しますが、サービス業のような「」に依存するビジネスであれば「人的コスト」を、製造業のような「物理的なモノ」に依存するようなビジネスであれば「物的コスト」を、まずは極限まで最適化することを目指してデータ活用をされるとよいかと思います。

② 顧客開発

2つ目は「顧客開発」です。

ビジネスは「顧客」がいなければ売上を伸ばすことができませんので、ここに対してデータ活用をするというのは非常に大切になります。

「80対20」という法則があります。

これは、「上位20%の顧客が、店舗の売上全体の80%を占めている」といった場合によく使われます。

つまり、一部の優良顧客によって多くのビジネスは成り立っている、ということです。

しかし、現在の「デジタル化」してきたビジネスにおいては、「SNS」や「インターネットニュース」「YouTube」のように、「基本的には無料で使える」というサービスが多く登場してきています。

したがって、消費者は「無料でサービスを受け取る」ことに慣れてきてしまっているため、自社の事業に対して「売上」という意味で貢献してくれる顧客は、上位20%どころか、上位1%しかいない、という報告もあります。(ソーシャルゲームなどはこうした傾向が顕著です)

こうなると、「お金を払ってくれる顧客」のことを深く理解しなければ、ビジネスが成り立たなくなってしまいます。

これが、「すべての業界がサービス業になる・デジタル化する」というこれからの時代において「データ活用」が重要な理由です。

データを使って顧客の分析をする」というのは一部のIT企業などに限られる話ではなく、すべての業種・業界にとって避けられないテーマです。

③ 製造プロセス改善

3つ目は、「製造プロセス」の改善です。

これまでの多くのビジネスは、「モノやサービスを顧客に売った」時点で利益が出るという前提で設計されてきました。

これをよく表しているのが、「バリューチェーン」という考え方です。

※「バリューチェーン」」は「経営戦略論」の権威とされているマイケル・ポーター氏(Michael Porter)が、1985年に提唱した概念。

ここでは「バリューチェーン」の詳細は省きますが、企業が顧客に商品を提供するまでの流れを「購買物流」⇒「製造」⇒「出荷物流」⇒「マーケティング・セールス」⇒「サービス」⇒「利益確定」というように表して、自社あるいは他社の事業を分析する考え方です。

しかし、近年では従来の「製造プロセス」の考え方では、説明がつかないビジネスが多く登場してきました。

それが前述の「SNS」や「YouTube」といったサービスや、「ネットフリックス」や「Amazon プライム」のような、いわゆる「サブスクリプション」と呼ばれるビジネスがです。

こうしたビジネスでは、顧客が「商品を買った」時点で終わりなのではなく、長い年月をかけて顧客から代金を回収していきます。

したがって、「ユーザーとのつながり」を重視する必要があり、「プロダクト」をベースとするのではなく「ユーザー活動そのもの」を軸にビジネス設計をしていく必要があります。

バリューチェーン」のような「売り切り型」のビジネスではモノが売れなくなってきています。

こうした「製造プロセス改善」にもデータ活用が威力を発揮します。

④ 既存製品改良

4つ目は、「既存製品の改良」に対してデータを活用する、というものです。

いわゆる「商品やサービスの差別化」「さらなる付加価値の提供」と考えれば分かりやすいと思います。

製造業では重機などに取り付けたセンターで、位置情報や稼働状況を取得し、盗難などの防犯や、整備、保守のタイムリー化、効率化を図るといったことが10年程前から始まっています。

また、ドイツが国を挙げて取り組んでいる「インダストリー4.0」に代表されるように、モノづくりもこれまでの「単一商品・大量生産」から、「マスカスタマイゼーション」のような、多くの顧客に対しても、顧客ひとりひとりに合った商品の開発・販売がどの産業でも進んでいくと考えられています。

また、住宅や不動産といった業界でも、家電や家全体がインターネットと繋がることによって、スマートフォンで外出先から洗濯機や掃除機の操作や、電力使用量の最適化、といったことができる時代になってきています。

「データの活用」となると、「なにか新しいことを始めなければならない」と感じてしまう方も多いかと思いますが、重機や家電、住宅といったものは、古くから人々の暮らしに溶け込んでいるものであり、そうしたものと「データ」をいかに組み合わせるか、というのも「データ活用」を考える1つのヒントになるかと思います。

⑤ 業務改革

最後は、「業務改革」に対してデータを活用する、ということです。

自社のオペレーションをいかに効率化、最適化するか」と考えて頂ければ良いかと思います。

昨今の「働き方改革」や「新型コロナウィルスの影響」などによって、「残業の削減」や「無駄な業務の廃止」、「リモート環境でも今までと同じクオリティでの仕事のやり方」などなど、業務改革をしなければ他社への競争優位性が保てない、という観点だけではなく、自社の従業員の満足度や、従業員がその企業に所属する価値、なども考えなければならない時代になりました。

また、こうした「業務改革」は、これまでご紹介した①~④までと密接に関わっています。

自社の業務の効率化・デジタル化などが進まない企業が、顧客に対しての「デジタル財」などを提供できるはずもなく、いわゆる「ハンコ文化」と呼ばれるような仕事のやり方をなかなか変えることができない企業と、そうでない企業の差は今後ますます広がっていくと言われています。

最近では、宅配大手の佐川急便が、世界初となる「AI活用による不在配送問題の解消」という共同研究を東京大学等と実施していくことが発表されました。

宅配の不在」というのは、宅配を受け取る側にとっても不便ではありますが、宅配を提供する事業者側にとっても大きな人的リソース問題や環境問題等を引き起こしていると言われています。

このように、「どうやったら今の業務がもっと楽になって、これまで以上の成果が出せるか?」を考えるのはとても大切なことですし、経営者だけではなく現場も一体となって解決するべきことです。

それが結果的に、環境問題の解決や、少子高齢化の日本においての切り札になるかもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

データの活用は、「目的やビジョン」といったものが明確でなければ、なかなかうまくいきません。

一方で、「データに詳しくないし、よく分からん」と悩んでいる方もいらっしゃると思います。

今回は、そうした「データ活用の目的」を考えるために、以下のような5つの視点をご紹介してきました

① コスト削減

② 顧客開発

③ 製造プロセス改善

④ 既存製品改良

⑤ 業務改革

もう少し話を聞いてみたい」と感じて頂いた方や、「うちのデータはどんな目的に使えるだろうか?」というお悩みがある方は、ぜひJDDLにお気軽にご相談ください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人:

データプランナー・スポーツビジネスマニア
「データとビジネスをいかに結び付ければいいのか?」をテーマに、分析設計やビジネスモデルの研究をしています。得意な分野は「経営戦略」と「スポーツビジネス」です。最近は「フリーミアム戦略」に興味があります。