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ウェブマーケの変遷を語ってみた。~ビットバレーの鼓動からContents is King!まで~

ウェブマーケの変遷を語ってみた。~ビットバレーの鼓動からContents is King!まで~

自己紹介

 株式会社jeki Data-Driven Lab取締役の於保 真一朗(おほ しんいちろう)と申します。本記事では、略歴紹介を兼ねて、2000年以降のウェブマーケティングの変遷データドリブンの取り組み実績をお伝えできればと考えています。過去の振り返りのなかで、懐かしんでもらったり、多少なりともデータドリブンってこういうことなのね、といった気づきにつながれば嬉しく思います。

「ビットバレーの鼓動」ネット広告黎明期(2000年頃)

 2000年インターネット広告黎明期のさなか、広告代理店に新卒入社しました。当時会社自体がネット広告取扱を開始したばかりですので、新卒で右も左もわからない状態から営業活動をしていました。業務の半分は既存事業だったデザイン制作でクライアント企業のロゴマークや名刺、封筒、看板などの制作をする傍ら、ネットバブルの時期なので非常に派手な媒体社主催のカンファレンスや説明会に足蹴く通ったり、勉強しながらバナー広告やオプトインメール広告などの代理販売をしてました。

 孫正義氏がヘリコプターでカンファレンスに来た話題などネットバブル大盛況の時期直後のネットバブル崩壊時を目の当たりにして、新しい時代に期待しながら、その意味が何なのかを探りながら奮闘していました。

※「ビットバレーの鼓動」:シリコンバレーに倣って、渋谷=ビターバレー→ビットバレーと翻訳して渋谷から世界へ臨むベンチャー企業を取り扱った荒井氏の著書名。

「Pull」リスティング広告運用(2003年頃) 

 当初よりネット広告は、「デジタルなので効果測定ができる」という触れ込みで営業をしていましたので、データ分析ありきで進めていました。ある化粧品会社で、まずはネット広告種類で代表的なものを一通り対応してみて、効果の高いものに集中する方法でやってみましょうと提案したら、その案が通りました。特に効果が良かったのが検索連動型広告でした。初期は検索エンジンの特定キーワードに対して2枠などのインプレッション販売という形式でしたが、単なるバナー広告よりも圧倒的に高い効果が出ていました。

 ユーザーの検索行為は、そのときに欲しいものを探しており、検索結果でそれに見合う情報提供をして道筋を導くことで、購買に対する影響が高まるという構造そのものが、検索広告の効果が高い要因です。

 ほどなく、Googleがリスティング広告形式で展開すると瞬く間に、その方式が浸透していきました。Googleはユーザー支持が高い情報を優先的に上位表示しようとする仕組みを設けていました。検索結果順位は上位ほど目立つので、どの企業も目指す。入札単価が高いため、資金力があるところに集中しやすくなりがちと思われます。しかし、特徴的なのは、広告ランクという仕組みで、ユーザーに支持される=クリック率(現在は品質スコア)の高さが順位決定式に組み込まれており、それがGoogle自身の広告収益に影響を与えるという理にかなったビジネスモデルです。入札単価がべらぼうに高くなくても、みんなが支持する情報を上位に出すことができます。

 このモデルに感銘を受けたのですが、リスティング運用チームを立ち上げ、Google AdwordsやYahoo!(当時Overture)の認定代理店を目指しました。費用対効果を見極めながら、最適な入札単価調整ユーザー支持が得られる原稿づくりが求められました。データをもとに試行錯誤しながら取り組みましたが、ある意味ゲーム要素が高いことと、売上効果に多大な影響を与えており、かなりのめり込みました。

ランディングページの最適化(2004年頃) 

 ある不動産賃貸サイトの会員登録を増やすために、サービス特長と登録者のメリット訴求特化型のページを作成してみたところ、トップページに誘導するよりも6倍以上効果がでたのは驚きでした。アクセス解析ツールを導入してみたのですが、会員登録に至るユーザーがたどるページの特長をまとめて1枚に集約したら効果がでるだろうと試したのです。

 まだランディングページ最適化(LPO)という言葉すらありませんでしたが、やっていたことはまさにそのことで、どの箇所がクリックされやすいのか、どういう見出しや説明文がよいのか、画像はどのようなものがよいのかを試しながら運用し、効果を最大化する取り組みをしていきました。

※ランディングページ:外部から最初にたどり着くページのこと。LPOは、Landing Page Optimization(ランディングページ最適化)の略語。

「Contents is King !」ブログコンテンツ (2005年頃)

 これからはweb2.0時代であると、ブログやSNSなどソーシャルメディアが話題になりました。自社で立ち上げるブログは、SEO効果があるというアピールがされていたころですが、単なるウェブサイトのページよりも親身に触れ合うブログの強みを活かせないか考えていました。

 そして、防犯サービスのサイトについて、カタログ情報をウェブサイトに載せているだけではなく、なぜ防犯対策が必要なのか、どのように対策すべきかといったノウハウをまとめたブログを企画プロデュースする機会が得らえました。

 特に意識したのは、対象読者が興味・関心、理解、比較検討、申し込みのどの段階にいるのかということです。記事を分類して、縦軸は一般情報~企業情報、横軸は興味関心(旬・息抜き)~理解(お役立ち)といったマトリクスを引いて、ABCDの記事フラグを立てました。どのコンテンツに比重を置くか、導線の設計などを考慮して、毎月の記事更新の番組表を作成したのです。

 やはりアクセス解析ツールで検証しながら運用しました。基本の方針は、興味関心系コンテンツから理解、検討へ遷移されているかの導線評価を重視しました。また、定番の記事テーマを軸にしながら、旬な話題を盛り込みつつ、反響の高い記事を見つけ出し、それを拡充したり再編集するといった工夫をしました。データを軸にPDCAサイクルを回すことで、ユーザーの役にも立ち、ビジネスにも貢献できるスキームをもって展開ができました。

※「Contents is King!」:SEOや広告手法ばかりテクニック論に走っていた頃、やはりユーザーに支持を得られるのはコンテンツだ!とカンファレンスで熱弁を語る登壇者が増えました。もとは1996年ビルゲイツが論文で語った言葉。

※PDCAサイクル:Plan-Do-Check-Actionの頭文字をとった用語。

次回へ続く。

 ウェブマーケティングの変遷データドリブンの取り組みに携わってきました。デジタルに関する専門用語は多く覚えることもたくさんありますが、「マーケティングとは?」という意味を考えながら取り組むことが大事だと思ってきました。それは、お客様にとって適切な情報どのように提供するかというマーケティングの本質を突き詰めている経過のひとつの手法なんだろうなあと思います。

 過去を振り返りながら、当時のオフィスの様子や一緒に取り組ませていただいた媒体担当者やクライアント担当者の顔など、懐かしい思い出がよみがえってきました。次回は、アクセス解析からビッグデータ活用の話題に触れていきます。

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この記事を書いた人:

株式会社jeki Data-Driven Lab 取締役/データプロデューサー。インターネット広告代理店で集客・制作・解析を推進後、リクルートライフスタイルに移り、ビッグデータ専門チーム担当。その後、クリーク・アンド・リバー社にてデータ専門人材サービス「Symbiorise」の企画運用に携わる。ウェブ解析士協会エキスパート講座講師。データサイエンティスト協会スキル定義委員会会員。デジタルマーケティングを中心に自動車会社、化粧品会社、教材会社など業務支援経験多数。趣味はギター、絵画、野球など。